Private Hearts 中村亘利 BL小説


「んっ…んっ…」。ほてほてと校庭を横切って帰ろうとしていた嘉瑞を、高敏はエサで釣って体育館の裏に連れて行った。「…………ん」。と、リアリーが答えると、老人は『ふぉっふぉっ』と笑い声を上げた。「好きだからキスした」。不満そうな表情をしている海の頬に、佳文はキスを贈る。黙ったルキヤの代わりに、龍星が訊いた。

「赤星、おまえからもなんかいってくれよ」。すると海王は、由良の薄い桃色の頬に唇を寄せてから、こう答えた。

「由良も気づいていたか……」。

「判ってくれたようだな」。「わ、私の祖先からの言い伝えです……。命をかけて成し遂げたいことがあったならば、地の神、地王様の名を唱(とな)えよと……。西の果ての砂嵐の先に地王様はいらっしゃると……。薄紫色の宮殿にいらっしゃると……」。「そうじゃない?」。豪奢(ごうしゃ)なマンションに連れて来られた湊はつい怯む心を素直に口にした。ずっとずっと考えてるのに。「は…はぁ……なるほど」。

「大きい声出すと、外に聞こえちゃうよ?」。ショックにボーッとする頭で、男の唇が気持ちいいとは知らなかったなどと考える颯矢である。「春樹?」。思いきりシャワーのコックを捻って、忠司は頭から水をかぶる。

「結婚って、男同士でできるもの?」。そう思うと、自分の肉体から魂だけ抜けだしてしまい、ドールのところへ降りてゆくように錯覚する。その言葉にようやく真琴は我に返り、バッと鹿島の腕から離れた。そんな自分の内心すらわからずに浮気を責めるのかと、身勝手にせつなさばかりが込み上げた。まだ死なせてもらえないのは、男がそれだけの罪を犯したからだ。凛太郎の存在を、たしかめるために。


ボーイズラブ小説作品紹介


「ただ懐いてるだけ」と言いつつ、周囲から見ればラブラブな二人、響と竜。今までのように抱き合ったり、頭を撫でたりしているだけなのに、以前とは違う……何やらドキドキする甘い感覚が芽ばえ、うろたえる二人だが……。そして、篠田をくどき続けて一年半……の時凰の前に、手強いライバルが出現!とろける笑顔で抱きあう篠田と男・正慶を思うと、時凰は仕事もうわの空で……。

タイトル:スローステップがお似合い2
著 者 名:高月まつり
レーベル:スローステップがお似合い
発 行 元:オークラ出版

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